フクダ トシコ
  福田 俊子   社会福祉学部 社会福祉学科 ソーシャルワークコース   教授
■ 標題
  ソーシャルワーカーの自己生成過程における専門的自己の構築と解体-中動態から生起する臨床体験-
■ 概要
  精神保健福祉領域のワーカーによって、自己生成に影響を与えたと認識されている臨床体験が、どのような状況の中で生起し、どのような構造をもっているかを、明らかにすることを目的とし、16名の現職ワーカー及びソーシャルワークを学ぶ学部学生1名を対象としたインタビュー調査を実施した。その結果、以下に示す3点が明らかとなった。
 一つは、自己生成は、①専門的自己の形成、②専門的自己の確立、③個人的自己と専門的自己の浸透、④個人的自己と専門的自己の一体化、という4段階を辿る。二つは、「節目」となる臨床体験は、「能動」と「受動」が反転したり、交差したりする「中動」で生起する事象である。三つは、「節目」となる臨床体験は、「問い」と「応答」の往還によって構成される円環構造となっている。
 ワーカーは、行き詰まるという体験をすることによって、ワーカーは無力さを痛感し、自らの倫理が問われ、それに対し応答するようになり、「あるべきもの」を「実現する」という「能動」が捨て去られていく過程。それがワーカーの自己生成なのである。

  単著   法政大学大学院人間社会研究科人間福祉専攻博士論文      2017/03