イズミ リョウタ
  泉 良太   リハビリテーション学部 作業療法学科   教授
■ 標題
  本人・家族・作業療法士間での定期的な目標共有が本人の主観的QOLを向上させた事例
■ 概要
  近年,作業療法士によるQOL研究や評価法が報告されており,QOLを向上させる要因
の一つとして,意思決定支援ツールを使用した目標共有を行うことが重要であると言われている.しかし,目標共有を行う際に,家族が共同して参加している報告は少ない.今回,
小脳出血により,失調症状と動的立位バランスの低下を呈した事例に対し,ADOCを用
いて定期的に本人・家族・OT間で目標共有することで,本人と家族の大切な作業活動を
共有することが出来た.目標共有をした際に,家族から新たな希望を聴取することで,本人と家族の大切な作業活動が更新され,継続したアプローチが可能となった.その結果,ADOCの遂行度と満足度は向上した.SEI-QoLでは,本人が重要としていた「家族」のレベルや重みが向上し,選択された5つの生活領域の中で一番比重の高い項目へと変化が見られた.以上より,本人・家族・OT間での定期的な目標共有は,本人の主観的QOLを向上させることが示唆された.

  佐竹祐輝,袴田巌,大庭健嗣,泉良太
  共著   作業療法ジャーナル   58(7),639-643頁   2024/07