イリエ タク
  入江 拓   看護学部 看護学科   教授
■ 標題
  里親不調により里子との離別を経験した里親の負担感の支援に関する研究
■ 概要
  (査読あり)里親不調による里子との離別を余儀なくされた5名の里親の「語り」が質的記述的に分析され、里親の体験の構造を踏まえた「負担感」の支援の要点を明らかにした。里親不調に至る里親の「負担感」を取り巻く状況には、「機能不全を起こすリスクの高い小さな共同体としての里親家庭」「機能不全を起こしている児童養護のシステム」「里親をマイノリティとして扱う文化的力学・社会的要因」の三重の構造があることが示唆された。特に、児童相談所による配慮を欠いた措置変更がおこなわれた場合、里親はその構造の中で、それを里親家庭に加えられた「直接的暴力」であると体験しやすく、そのような「直接的暴力」を下支えする不可視的な「構造的暴力」および「文化的暴力」の力学が、里親が子どもの養育に際して体験する日常の「負担感」に、色濃く影響を及ぼし続けていることが示唆された。わが国では、上記の暴力的力学により、このような配慮を欠いた措置変更が特に起こりやすいにもかかわらず、当事者は正当な関心を払われることなく放置されやすい。里子のみならず、社会的養護を担う里親の「人権」や「生きる力」が著しく侵害されている状況がある。
200頁

  単著   放送大学文化科学研究科文化科学専攻修士論文   200頁   2012/12