イイダ シンヤ
  飯田 真也   国際教育学部 こども教育学科   教授
■ 標題
  生命尊重概念の発達水準指標づくり1:コールバーグの道徳性発達原理と道徳科での生命尊重目標における科学概念履修の効果
■ 概要
  教育の目標の一つであり、道徳的諸価値の一つである「生命尊重」概念の発達水準指標の作成に向けた研究を進めた。道徳の評価規準作成に当たっては、3水準6段階からなる道徳性発達段階を設定したコールバーグの道徳性発達理論の原理を見出し、生命尊重概念に適用した。小学第3学年から第6学年を対象に、生命尊重にかかわる慣習的水準を判定する調査問題を作成、実施した結果、生命尊重の目標に関係する食物連鎖等科学概念履修の有無で第6学年を境に有意な差がみられた。生命尊重概念に及ぼす科学的概念履修の効果を指摘できた。さらに、小学6年生と大学1年生とを比較すると、慣習的水準以上の割合には、有意差はみられなかったが、回答の傾向に有意差がみられた。大学1年生では、「他生物種」等生物環境要因に加え、「他者への配慮」等社会環境要因を視点として回答していたのである。このことは、「正義や公平」を重視するコールバーグの道徳性発達理論に対する「配慮や責任」の道徳性を指摘したギリガンの主張と相通ずるものであり、「生命尊重概念」という個別概念においても、2つの道徳性を考慮に入れた発達段階設定が課題となった。
  飯田真也
  単著   聖隷社会福祉研究第15号   聖隷クリストファー大学社会福祉学会   (第15号),25-34頁   2022/12